信頼できる外壁塗装の見積書のポイント!
見積書といえばどのような場面で日常目にするのだろうと考えてみるとビジネスの世界以外ではあまり見かけないものかもしれません。
それでも何かないか考えてみると、例えば車の購入時、家の購入やリフォーム、保険の加入前、引越し、冠婚葬祭、旅行等を計画してみると見積書が出てきますね。こうやって考えると目にされたことがない人も中に入るのかもしれませんね。
お客様と商談をしていると他社様の見積りをお見せいただくこともしばしばあります。これまでにお客様からいただいたKAPENの見積書や他社様の見積書に対するご意見をもとにお客様が見積書を見るときに気を付けてほしいポイントや安心なポイントをまとめてみました。
わかりやすいようでわかりにくい見積書
見積書に「外壁塗装工事一式 〇〇万円」「屋根塗装工事一式 〇〇万円」と書かれているだけ
一見スッキリしている見積書。でも、一式ってどこからどこまでが入っているのでしょうか?お客様の中には「全部綺麗にしてもらおう!」と楽しみにしている方もいると思います。一式と言われると細かい所もすべて入って一式ですよね!と普通は思います。
例えば、布団一式をネットで見てみると、敷き布団・掛け布団・枕・それぞれカバーが入っているすぐ使える一式もありますが、敷布団・掛け布団で一式もあります。また、掛け布団一式は夏掛けと冬掛けの掛け布団の一式というものあります。
スノーボードの一式はボードとビルディングとブーツ。スキーは板・ビルディング・ストック・ブーツという感じです。お店によってはグローブやケースやワックスが付いている一式もあります。しかし、これではすぐに滑ることはできません。ウエアーも帽子もインナーウエアーもありません。
塗装業界でも業者によって「一式の意味、範囲」は違う
工事が終わってみると屋根は塗ってない…。雨樋も汚いまま。目地のシーリングも劣化した状態でそのまま塗装をされていた。という話を聞いたり、現地調査で見たこともあります。
過度に値引きをお願いしたからなのでしょうか?
業者によっては「安くする方法があります!」と提案してくれた内容が…とお客様から聞いたお話では、一般的には塗装は3回塗っていますが、今の塗料は質が良いので1回で大丈夫です!や、そこを特別に2回にしておきましょう!のアドバイスをもらい、たった2年位で塗装が剥げてしまったとのこと。慌てて施工業者に連絡したが電話が繋がらない。連絡をして来てもらったら「この屋根は難しい屋根で、仕方ないんです。補修は40万円です…。」と言われ、どうにも信用できなくなってしまったことで今回KAPENにご相談いただいたそうです。
お客様から当時の見積書を見せて頂くと、表紙を合わせて1~2枚の薄い物でした。内容は「外壁塗装工事一式」120万円や「塗装工事一式」80万円などです。どんな工事をどのような材料でどのように行ったのかが全くわからなず、形跡を負うことができない状態で、当然メーカー保証はありません。
どのような品質の材料で工事がされるのか不明なまま依頼をしてしまうことは、危険でしかありませんのでご注意ください。
工程ごとの見積りが無い=どこを何でどうするのか
- 足場の見積り
足場の組み立てにも法令が定められています。単管足場は一昔前まで許されていたもので、最低でもくさび足場でなければ安全基準が満たされないものと最近まではなっていましたが、さらに直近で法改正があり、1m以上の余裕があるスペースでは本足場で組み立てなければならないことが2024年4月施行予定となっています。この足場の組み方についても見積書には通常記載されているものです。
(足場代なし!なんてこの時代にあり得ません。足場を組むのにどれだけの人が必要か?持ってくるのにもコストがかかります。違う場所でその分はしっかり入っています。) - 高圧洗浄の見積り
高圧洗浄に関しては、薬剤が含められているのかどうかが金額にかかわってきますがこの部分で手抜きなど悪いことをしている業者は聞いたことはありません。 - 塗装の見積り(外壁・屋根・破風・軒桶・軒下・雨樋・ベランダ・外構・手すり・物置・ポスト・犬小屋…など)どこを塗装するのか。口約束はトラブルの元です。)
屋根や外壁を塗装する工程やその金額が記載されていても使用される塗料が「シリコン塗料」「フッ素塗料」など塗料のジャンル名のみで記載されている見積書をよく見かけます。シリコン塗料といっても耐用年数8年のものもあれば、15年のものも存在しています。通常、専門店がお客様にシリコン塗料をご提案する場合には耐用年数15年の製品が一般的で、10年も維持できないような水準の塗料をご提案することはほとんどありません。
塗料のジャンル名しか書かれていないということは、どれくらい耐用年数があるのかわからないまま依頼することにつながってしまいます。
※ベランダ床の防水層に対して施す「トップコート」を防水工事と称して誤認させてしまう記載の仕方をする見積書もありました。本当に防水工事をされるのであれば工法によって高くはなりますが、2万円・3万円では防水工事の材料の一部を購入できるくらいです。 - 屋根葺き替え・カバー工法の見積り
見積りされている屋根材に注意してください。屋根材はスレート(コロニアル)、シングル、塗装仕上げのガルバリウム鋼板、石粒仕上げのガルバリウム鋼板、アルミ等と屋根材の種類はたくさんあります。
一般的には左から順に金額が高くなっていき、耐用年数も長くなっていきます。
KAPENでは企業努力により仕入れを抑えることができ、石粒仕上げのガルバリウム鋼板を塗装仕上げのガルバリウム鋼板と同じかそれよりも安いかの水準でご提案することが可能になっています。
他社様の御見積書を拝見した中には、シングル屋根の見積りで石粒仕上げのガルバリウム鋼板よりもかなり高く見積りをされているものもありました。
屋根工事は確実に高くなってしまう工事ですので、どれくらい耐用年数がある屋根材なのかを注意して見積書を比較しましょう。 - シーリングの見積り
古くなった目地シーリングはサイディングとサイディングの隙間から水が入り、外壁内部を劣化させます。外壁塗装を行う一番の目的はここかもしれません!と思うくらい大切な場所です。
サッシ周りのシーリングは各社方針があるので別として、目地にあたるシーリングについては「打ち替え」なのか「増し打ち」なのかをよく注意してください。「打ち替え」でなければいけません。ましてや、その記載がされていない見積書は避けたほうがリスク回避となるでしょう。 - その他 (各お客様・業者表記によってちがいます)
例1)エアコンホースカバー脱着(塗装面にエアコンのホースがあった場合そこの部分を塗るか塗らないかという事です。その場合エアコンを取り外してしまったときに塗装されてない所が線になって出てきてしまいます。
例2)カーポートパネル脱着(足場を建てる場所にカーポートがある場合はパネルを外して設置します)
これらご提案する見積書を作成するために現地調査をすべての現場で必ず実施しています。
現地調査の必要性
現地調査は見積書の作成に必要な手順です。大まかな概算見積書は図面や坪数で提示できますが、あくまでも概算でしかありません。
現地調査を丁寧に実施することで、建物の劣化具合や不具合の状態を把握し、それらの程度に合わせて必要な補修、あるいは交換等の項目が算出されます。築年数が10年前後の建物は周辺環境や建築会社によって例外はありますが、基本的には劣化も不具合もないことが多いので概算とのズレが生じにくいです。一方で2回目以降の塗り替えや築15年以上の建物は劣化も不具合も何かしらが発生しており、その程度に対してどのように手を加え、どの下塗り材・上塗り材を選ぶのか、どれくらいの量を使用した方が良いのかなど「塗装技術=行為」よりも「リフォーム知識=直す、改善する」ことが必要不可欠となります。
足場が設置されてからしか見つけられない劣化や不具合を除いて、現地調査ができていない業者にあたったときに「追加工事費用」が発生してしまうのではないかと思います。
築15年以降 または 2度目の塗り替えにあたる住宅
これらの住宅は劣化症状が間違いなく出ているといえます。屋根であればルーフィングの状態に気を付けなければいけない時期で、屋根塗装で済ませられるのか、屋根工事にしたほうがいいのか、今後のライフプランと予算に合わせた方向性を決める必要があります。外壁でいえば、単純に塗装をすれば長持ちさせられる状態ではなく、知識を要する下地処理が必要となる時期です。人間に置き換えれば、健康診断ではなく、より細かい診察である人間ドッグへの切り替わり時期といえます。
だからこその人間ドッグ=現地調査の重要性
良くも悪くも多くの職人は指示が出ている内容以上も以下もしません。だからこそ、住宅にとって何が弱点なのか、そしてその弱点に対応する工法を知りません。よくある話では、埋めてはいけない隙間を埋めてしまい、数年後に不具合が出てしまった事例もあります。「塗り方を知っている」けれども「気を付ける点は指示がなければ対応しない。つまりは、それら弱点を抑える細かな指示が必要不可欠で、その指示のためには現地調査の制度が最も重要なのです。世の中に存在する免許資格は新築時に求められるもので、改修・リフォームの場面ではデザインや劣化している程度の判別に関する資格はあっても車業界のような「整備士」資格はそうありません。これは住宅が人や材料、工法、形状、使い方、年数、立地等それぞれが違って、同じ建物がないことに起因していると考えられます。
だからこそ改修・リフォームでは塗装だけでなく、屋根や防水・大工等広い範囲の知識と経験が必要となるのです。見積書では判断できないこの部分、現地調査の制度こそが改修・リフォームでは失敗しない1番大切な要素なのです。
現地調査におけるドローンの有効性
前提としてドローンを飛行させるには航空局の許可やFISS登録が必要です。民間のドローン操縦資格が以前からありますが、最近ドローン操縦の国家資格が設けられ、さらに注目度が増している状況です。(※KAPENでも国家資格を取得予定ですが、現時点では資格がないとドローンを飛ばせないような定めはありません。)
現地調査のドローン点検には次のような有効性があります。
・屋根に直接上る前に空撮することで、故意的に屋根を割られたり、ずらされたりと虚偽の調査報告を回避できる
・お客様も一緒に確認できることで、情報に差が出ない
・転落事故などの危険性がなく、安全に屋根を点検できる
・屋根に触れないため、屋根が傷ついてしまうリスクがない
KAPENには現地調査力があります!
住宅をただ「塗る」ことは2年間の短い歳月で習得することができますが、すべての住宅は別々の会社、職人が作り、腕前も知識も材料すらも異なってできているのが実態です。同じ工務店が建てた住宅だとしても設計した人、現場で作業した人、建物の寸法、周辺環境など一見同じでも異なっている部分があります。それら多種多様な住宅の状態や酒類に適応して、塗装ができるかの可否・材料の選定・下地処理の仕方・養生の仕方等々を使い分けられるようになるまで10年以上かかります。私たちは工場や倉庫、大学、病院、店舗、商業施設等の塗装・屋根・防水の高い技術と豊富な経験が求められる現場にも入り、日々研鑽を積み、それら技術と知識を備えている施工店です。
現地調査で必ず確認しているポイント4選
- 外壁のひび割れ・クラック
ひび割れの程度やひび割れ箇所の確認をしています。特に窓とモール廻りのひび割れは水が滞留しやすい場所なので注意して確認しています。 - 軒天・軒裏の水染み
屋根からの雨漏りが発生している時やベランダ防水の機能性が失われ、雨漏りしてしまっていたり、ベランダの袖壁から雨漏りしてしまっている時に発見がしやすい場所です。 - シーリングの劣化具合
建材同士の隙間を防水しているシーリングの状態を目視と触診で確認しています。シーリングは弾力性のあるものですが、経年劣化で固くなります。また、隙間を防水しているにもかかわらず隙間ができてしまっていないかの確認をしています。 - 外壁の剥がれ
「剥がれ」といっても受取る人によって意味が変わります。「物が当たって削れた」ことも剥がれと思う方もいるかと思いますが、私たち専門家における剥がれは「前回の塗装した塗膜の剥がれ」か「外壁が水分を吸ってしまっていて、腐ったことによる剥がれ」に重きを置いて確認しています。これらの症状は塗装の前段階である下地処理が必要となります。
この他にも確認している事項は多くありますが、主立って重要な項目を選んでみました。
ここからは再度見積書のお話に戻りたいと思います。
塗装面積が記載されている見積り
私たちKAPENは現地調査でメジャーやレーザースケールやドローンの自動計測機能を使い面積を割り出します。それにしても最近は現地調査の場面でも非常に便利な道具が出てきています。
屋根面積や外壁面積の出し方は、会社ごとに異なります。思いつく限りでは、
① 床面積・坪数からざっくりとした面積を導き出す
② 図面から数量を拾い出す
③ 現物の建物を測って導き出す
この3つのパターンに別れるのではないでしょうか。
なぜ、面積を測るのか?
「お客様に必要以上の塗料を購入させない」こと、「社内に余分な在庫を持たない」ためです。
よく使う色はKAPENでも多少在庫をもっています。小さな塗装の仕事が突発的に入った時に使うからです。例えば黄色は安全標識やポールや駐車場内などに使います。白やアイボリーホワイトなどは住宅の補修などで使います。
以前、お話を聞いたお客様は在庫の塗料でやるので安くします!と言われたそうです。しかし、4年目頃に剥げてきたこと、雨樋と軒下はやってもらえなかった…とのことでした。在庫は誰が購入したものでしょうか?在庫で塗装したお客様は、本当に安くやってもらえていたのでしょうか?そもそも在庫は存在していたのでしょうか?
当時の契約書や見積書には「外壁塗装工事一式」の文字と金額だけでした。そのお客様の建物は140㎡の外壁があるとします。それを150㎡で計算していた場合の材料費は当然10㎡分多くなります。一般的な塗装は下塗り・中塗り・上塗りの3回です。30㎡分も多くお金を払う事になります。
業者が計算ができず多く買ってもお客様は損をします。在庫を使われたお客様も10㎡分の塗料では全く足りません。同じメーカーの在庫ばかりあればいいのですが…このような業者の場合、倉庫の中は色々なメーカーの商品が乱雑に置かれていることもあります。そうなると問題が起きてしまう可能性は当然高くなるでしょう。
面積を測る場合に、KAPENでは現物の建物を計測することを大切にしています。①の場合、床面積や坪数から面積を導き出す方法では、非常に簡易的な方法のため、お客様にも業者側にもわかりやすいものではありますが、基本的に実寸よりも多く面積が出てしまうことが多くなってしまいます。②の場合、図面からの拾い出しでは、現物と形状が異なっていることが少なくないので、図面を単純に信用できないので、図面と現物を照らし合わせる必要があります。
私たちKAPENの倉庫がいつも綺麗である理由と正確な測量をする理由はここにあります。
見積書を見るときのポイント補足
- 見積りは㎡表記がされているか?一式ばかりじゃないか?
- 坪数表記になってないか?坪数で出しているところがありますが、「坪数=床面積」を表す単位です。「塗装面積」とは違いますので気を付けましょう。
- 具体的に製品名が記載されているか?
「一式」見積りで起きたトラブル
- やってもらえると思っていた工事が一式に入っていなくて、終わった後に気が付き困った。
- 足場代を別途請求された。
- 雨樋や軒天などを塗装していなかったので、やってほしいと話したら別料金と言われて驚いた。
- 外壁や屋根や付帯部などすべて含まれていたが、紹介されていた塗料は耐久性の低い安い塗料で10年前後にまた行う事が後からわかった。
- 遮熱塗料を進められたが、具体的なメリットデメリット話はしてもらえなかったこと、どこの何を塗装されたのか?自分ではよく分からないので、次にどのくらいで塗り替えか自分で調べることができない。
KAPENの見積りについて
KAPEN社長の嘉数は社員が作成した見積書に対してとても丁寧に対応をしています。社長が必ず建物情報やお客様の考えを確認して話を聞きます。また、見積書が見づらくないか、お客様が混乱したり、悩んだりしないか、何より計算にミスはないかを丁寧に確認しています。案件によっては提案を変更する必要があります。それが工事が始まって再提案になるとお客様は不安になりますよね。できる限りそうならないように見積り段階から提案できる幅を確認しています。
これはKAPEN嘉数のこだわりです。KAPENの見積り書は現地調査からおおよそ1週間程掛かります。
KAPENの見積書をお客様に届ける時
- 現地調査報告書 これは建物の健康診断書です。表紙を合わせて約5~10ページです。現地調査後は嘉数・調査員・職人・営業などが話を聞き、写真を見ながら作成します。
- 見積書は6~12ページ程度になります。
- 見積り案はご希望がない限り、約3案作ります。【約3枚】
- 3案比較説明書(1枚に金額と大まかな内容を表にしてあります)【1枚】
- 見積り内訳書(1案ごとに何を行い、どこを何を使って行うかを書いてあります)【約3~6枚】
- 全案に必要な工程の見積り(足場組立、解体、メッシュシートなど)【1枚】
- その他(先程も書きましたがエアコンホースカバー脱着や物置の移動などについてです)【1枚】
このようにKAPENでは見積書をお渡しするときは、全部で10~20枚(工事内容により枚数は変わります)となります。
会社としては薄利多売がいいのでしょう。でも、私たちはどのお客様がどんな工事を希望しているのか、この建物をどのくらいの期間、どのように使いたいのかなども含めて一緒に考え、その案件にあった当たり前の提案をオススメすることが大切だと考えています。
見積書はそのような思いでお客様に届けています。