ルーフィング(防水シート)

ルーフィングとは、屋根材(瓦・スレート・ガルバリウム鋼板 等)の下に敷く「防水シート」のことを指します。屋根材の下に隠れているため、あまりお目にかかることはないかと思います。そのためにルーフィングの劣化状態が把握しにくく、実際に雨漏りが室内で発生したり、屋根材が割れたりなど異常が見られた時の調査でないと意識されることがありません。

そんなあまり知られていないルーフィングは重要なのでしょうか?
答えは当然重要です。
ルーフィングは防水シートであり、屋根材が防ぎきれなかった雨水の侵入を防ぐ最後の砦なのです。太陽光や風などによる衝突物は屋根材が守ってくれますが雨水については完全に遮断ができず、屋根材の下への侵入を許してしまうためにルーフィングは非常に重要と言えます。

ルーフィングの敷き直しと言っても屋根材を外す必要があるので屋根葺き替え工事や重ね葺き工事に近い金額がかかりますので、工事されるのであれば屋根も合わせて検討されることをお勧めします。

【 ルーフィングの種類・グレード 】

①アスファルトルーフィング

⇒ 原紙にアスファルトを染み込ませた防水シート

  アスファルトの特性上、低温になると割れやすい=温度変化に弱い

  耐久年数:10年程度

②改質アスファルトルーフィング

⇒ 原紙に改良アスファルト(合成ゴムや合成樹脂を混合し、釘穴シール性・折切れのしにくさなどを改良したもの)を染み込ませた防水シート

  アスファルトの弱点となる温度変化に強く、さらに防水性能が向上したものです。

  葺き替え工事や新築時に使用されます。

  耐久年数:20年~30年程度

③粘着層付きルーフィング(粘着層付き改質アスファルトルーフィング)

⇒ 文字の通り、粘着性のある仕様です。前述のルーフィングはタッカーや釘で下地と固定をしますが、

  それを使用せず、穴をあけずにそのまま固定することができます。

  既存がスレート(コロニアル)屋根などの場合に新たにその上から屋根を重ね葺くカバー工法をする際に使用されることが多いです。

  隙間ができないため雨漏りがしにくいのも特徴的です。

  耐久年数:20年~30年程度

④高分子系ルーフィング

⇒ 合成樹脂を主として構成されている防水シートです。

  改質アスファルトルーフィング同様に防水性や耐久性が高く、さらには重量が他と比べ軽量な利点があります。

  ただし、陸屋根などの平面の屋根にしか使用できないものです。

  耐久年数:15年程度

 

主に戸建てで使用されるルーフィングは上記の通りですが、

他には不織布ルーフィング、透湿防水ルーフィング、遮熱ルーフィングなどがあります。

 

それぞれにメーカーがあり、グレードがあり、性能の差がありますので金額も幅があります。

御見積書を取得しても何のことかわからずにいた方が多いと思いますが、

屋根工事する際には、ルーフィングは屋根の防水機能の要ですので今後は注意してみるとより安心な工事になるかもしれません。