軒の出の役割

【 軒とは 】

屋根の外壁より突出した部分のことを指します。

「軒0」=屋根が外壁と同じレベルの形状、屋根の先端がそのまま外壁とつながっているような形状を指します。

※外壁が屋根より立ち上がっているような形状のものは含みません。

 

【 軒の出の役割 】

大きく分けて2つの役割があります。

① 季節に応じて室内への日差しの入り方を調節し、快適な環境つくりをすること

② 外壁を雨風から保護すること

 

【 軒の歴史 】

古くより日本の住宅家屋では、軒が大きく出ている形状が特徴的です。

この特徴が軒の下の空間に屋内と屋外が共存する場を形成しておりました。

農作業や屋外作業などの生活における作業をするうえで便利なスペースを作り出し、

雨天においても通気と採光の確保を可能にするとともに、

水に弱い材料で構成された外装を雨水から守ることにも活躍していました。

 

時代の変化とともに外装材の改良、断熱性能やエアコンなどが市場におろされたことにより

上記のような軒が大きく出ていたことによるメリットが薄らいでいきました。

ついで拍車をかけたのが建築基準法や人口増加にともなって各敷地が狭くなったことです。

大きく軒が出てしまっていると土地境界線からその分、外壁をより離さなければならず、

当初は90cm程度が一般的だった軒の出も徐々に小さくなり、現代では30~40cm程度となっています。

都内などの敷地が狭く、3階建てのように上空へ長く立てている住宅などでは15cm程度のものから

もはや軒の出ていない上記の「軒0」の住宅が建てられるようになっています。

 

≪軒0人気の理由≫

・建ぺい率や斜線制限などの範囲内で敷地を有効活用できる

・本来ある軒の分の屋根工事や軒天工事がなくなり工事費用を抑えられる

・スマートな外観にデザイン性があり、若年層に好まれている

 

【 軒0の大きな問題点 】

軒先は、屋根下地に入った水が最終的に集中的に集まる部位です。

KAPENが屋根修理の現地調査をするときにも他の部位は生きているにも関わらす、

軒先の下地だけが劣化してしまっているケースを多く見かけます。

外壁よりも出ている軒でしたら軒先に集まった水が悪さを働いても、

鼻隠し部分や軒天の劣化のみで済みますが、

軒0の場合は内壁・外壁や室内の天井にもダメージがいってしまうことが問題となります。

 

さらには本来の軒の役目である「外壁を雨風から保護すること」が発揮されず、

外壁のあらゆる部位での雨漏りの危険性が抑えられないという2つの大きな問題があります。

 

しっかりとした雨漏りに対する知識のある施工会社が施工していれば基本的には対策がされていますが、

必ずしも施工会社に雨漏りの知識があるわけではなく、

例えば「塗装すれば防水される」であったり、何も雨漏りに対して試験施工もなく「これをすれば雨漏りがとまる」など

工事の契約を優先するあまり、誤った案内をされてしまいがちではあります。

雨漏りの原因特定は、よほど分かりやすい場所であるか、よほど運が良ければ短期間で解決が見込めますが、

通常は

①雨漏りの原因の可能性のある箇所を予測に基づいて一つ一つ工事をして潰していく、

②建物全体的に改修工事をしてしまう、

③散水試験などで繰り返し施工し時間をかけて特定をする

といった3パターン程度のいずれかにて費用かつ時間をかけて修繕していくものなのです。

 

雨漏りする前に屋根・外壁塗装や防水工事、屋根工事などメンテナンスをこまめにされることが

雨漏りの発生する可能性を少なくする方法だと思います。

 

 

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